個人事業の申告は「青色申告」のほうがトク?!
九月とはいえ残暑厳しく、涼風の待たれるこの頃でございます。
今回のブログでは個人事業の申告は「青色申告」のほうがトク?!
個人事業の申告における「青色申告」と「白色申告」の違いをご説明いたします。
個人事業の場合の税務署への申告については「青色申告」と「白色申告」があり、どちらを選ぶべきか迷うことがあるかと思います。
このうち青色申告は、事前に申請をして、適正な帳簿を作成する義務を履行することで、いろいろな特典がついてくる申告制度です。
帳簿には、毎日の取引やお金の流れを、複式簿記という簿記のルールにのっとってきちんと記帳しておかなければなりません。
そのような記帳という手間をかけることで、最高65万円が所得から控除できる(青色申告特別控除)ようになったり、家族に従業員として働いてもらった際に支払う給与が事業の経費として認められるようになったり、
もし赤字が出てしまっても、3年間は繰り越せる(将来黒字となった際に、その黒字と過去の赤字とを相殺できる)などの特典が得られます。
また、青色申告の承認を得ていれば、先ほどの複式簿記ではなく、もっと簡単な形式の帳簿記録でも、最大10万円を所得から控除することができるようになります。
このように、少しの手間をかけることでいろいろな特典が得られるのが青色申告なのですが、個人事業主の多くの方は、白色申告を選ぶ場合が多いそうです。
その理由の1つとして、「白色申告なら税務調査が来ない」という考えです。
しかし、それは誤りです。青色申告でも白色申告でも税務調査が入るか否かには関係がなく、
どちらであっても調査が来ることがございます。
また、「白色申告なら、現金主義なので経理がやりやすい」といった声もあるそうです。
白色申告をする際に申告書に添付する決算書は「収支内訳書」というものであり、この「収支」という言葉から、お金が入ったときに売上があったとし、お金が出て行ったときに経費がかかったとすればいいのだろうと考えられているからです。
このようなお金の出入りで売上や経費を計上することを「現金主義」といいます。
しかし「白色申告なら、現金主義でよい」というのは間違いです。
税法上は、青色申告でも白色申告でも、また会社でも個人事業主でも「発生主義」が求められます。
この「発生主義」とは、売上や経費を実際にお金の出入りがあったときではなく、その事実が発生したときに認識する考え方です。
例えば、商品の注文を受けて、取引先に納品し、検品を受けたのち、請求書を発送して、取引先から入金があった場合、売上がたったとされるのはどの時点でしょうか。
この場合、「現金主義」では入金があったときになりますが、「発生主義」では納品したときや検品を受けたときに売上がたつことになります。
つまり税法上の原則では、取引先に商品やサービスを納めたときに、お金の出入りがなくても売上をたてる必要があります。
これらのことから、一般に白色申告が選ばれる理由の多くは、実際にはメリットとなっていないことが多いため、青色申告か白色申告かどちらにするか迷った場合は、青色申告を選んだ方が賢明であるといえます。
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