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緩和されつつある ”同族会社” への規制

2023年7月26日

会社を設立するにあたり「同族会社」にすることを検討する方も多いと思います。

「同族会社」における規制する法律が徐々に緩和されています。

本日は3つの規制についてお話させていただきます。

 

まず、同族会社とは

『経営者を含めて3人以下の株主で出資の50%を占めるような会社』

のことです。

 

同族会社は、主要な株主が経営者となることが多く、経営者の独断で運営ができてしまいます。

そのため、税金逃れを目的とした取引や計算を行われないように

①行為計算の否認  ②留保権課税制度  ③役員報酬の損金不算入制度 といった措置がとられています。

 

① 同族会社等の行為又は計算の否認

これは、意図的に税金逃れを目的にした契約などをした際に、

税務署が適正な税額の計算し直すことができるというものです。

個人の所得税法にも同じようなルールはあるので、比較した際にデメリットと一概には言えません。

 

② 同族会社の留保金課税

同族会社は、経営者含め3人以下の株主で形成されているため、株の配当についても自由に操作できてしまいます。

そこで、同族会社が、利益の中から配当や役員給与として出さずに会社の利益を留保した場合には、

内部留保した利益のうち、一定額を超えると特別な税金がプラスされるのがこの制度です。

 

③ 同族会社の役員報酬の損金不算入制度

会社の経営者に対する役員報酬は、一定の条件を満たすことにより会社の経費となります。

また、役員報酬は、給与所得控除が認められるため、会社と個人とダブルのメリットがありました。

しかし、それでは、個人事業主と比較して税金が安くなる可能性があります。

そのため、国は、法人となった同族会社の役員報酬の一部を経費として認めず、

上記のような規制が会社設立のデメリットとなっていました。

 

ここまで、3つの規制についてお話してきましたが、これらの規制は少しずつ緩和されています。

②の「同族会社の役員報酬の損金不算入制度」は平成19年の税制改正により、

資本金1億円以下の企業に関しては、適用されなくなりました。

【補足】特定同族会社で、かつ資本金が1億以上の企業であれば課税対象となりますが、

    今回は特定同族会社について今回は割愛させていただきます。

また、③「同族会社の役員報酬の損金不算入制度」は平成22年4月以降に終了する事業年度から

撤廃され、現在では期首3か月以内に決めた設定額を支給することで役員報酬を経費とすることが

可能となっています。

 

いかがでしたでしょうか。同族会社を規制する法律は徐々に緩和されています。

そのため、個人で事業をしているよりも会社設立したほうが、

多くのメリットを受けられる場合もあります。

会社設立の際にはこのようなメリット・デメリットも抑えておきたいポイントです。

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