赤字の繰越って?個人と法人では赤字を繰り越せる期間が違います!!
梅雨の時期を迎えましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回のブログでは赤字の繰越控除について、個人事業の場合と会社の場合の違いをご説明いたします。
個人事業・会社ともに「会計期間」ごとに事業の成果を区切って決算を行います。
個人事業の場合は1月1日から12月31日までが会計期間となります。
一方、会社の場合は決算期(いつの時点をもって決算を行うか)を自由に決めることができ、会計期間は決算日前から1年間となっております。
この会計期間中に発生した収益や費用の金額を計算し、その結果に対して様々な税金がかかることになります。
ただ、個人事業にしても、会社にしても、常に黒字が続いたり、逆に赤字が続くわけではなく、黒字になるときもあれば赤字になるときもあることもあります。
しかし、黒字のときには税金を払わなければいけないが、赤字のときは何も補填なしとなれば、なかなか利益がたまっていかず、赤字分を取り戻していくことが難しくなります。
そこで、「青色申告をしている事業者には、赤字となった場合に、その赤字を翌年度以降に持ち越しをして、黒字となったときに持ち越した赤字と相殺できる」という制度がございます。
それが「青色欠損金の繰越控除」という制度です。
※青色申告とは、複式簿記などで記帳し、それに基づいて正しい税務申告をした場合に、所得の金額を計算する際に、控除を受けられるようになるなどの有利な取り扱いを受けられる制度です。
個人事業の場合、この制度で繰り越せるのは過去3年間分のみですが、
会社の場合は9年間(平成29年4月1日以降に開始する事業年度に生じた欠損金については10年間)繰り越すことができます。
この違いが会社設立のメリットであるといえ、会社をつくったほうが、より長期的に事業のやりくりを考えることができます。
また、「青色欠損金の繰越控除」が過去の赤字を繰り越せる制度であるのに対し、その逆で、前年の黒字を当年の赤字と相殺できる「青色欠損金の繰戻しによる還付」という制度もございます。
こちらは「会社のみ適用できる」制度で、個人事業の場合には適用できません。
この制度が適用できる点も会社設立のメリットです。
いかがでしょうか。会社設立の大きなメリットとして、過去の赤字を長期間繰越ことのできる「青色欠損金の繰越控除」や、前年の黒字を当年の赤字と相殺できる「青色欠損金の繰戻しによる還付」の制度をご紹介しました。
会社を設立するか、個人事業で行うかには、それぞれメリット・デメリットがございます。それぞれのケースによって有利・不利があり、どちらがよいかを適格に判断することは、なかなか難しいです。
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